宮司よりひとこと

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粥占神事【更新日】平成30年1月5日

枚岡神社の粥占神事は、大阪府の文化財に指定されています。江戸時代には1月15日の小正月に行われていましたが、現在は11日に斎行され、15日に占いの結果を参詣者に公表しています。当日は竃殿内の大きな釜に米五升、小豆三升を入れ、篠竹の占竹(53本)を1束にして、釜に吊り下げます。神職が古式により、火鑽杵を回転させて火鑽臼を摩擦すること100余回、やがて煙が出て木くずに火種が生れます。湿気や神職の体調によって、これを何度も繰り返すこともあり、その苦労が多いほど、火の有難味を感じるのです。

この火種を、乾燥した杉葉が入った器に移し、加減をしながら息を吹き込み、やがて炎が出ると、固唾をのんでいた観衆から感動の声が上がります。火を作る苦労と火が生れた喜びは、遠い祖先の遺伝子に記憶されているのでしょうか、大きな感動を覚えるのです。この火が竈の薪に移され、やがて火力が強まってくると、湯気が勢いよく室の内外に沸き上がります。

16代仁徳天皇が、民の竈の煙の無いのを見て、雨漏りがする宮殿の修復を差し控えたという、麗しい物語が想い出されるのです。粥が煮えたち、竹筒の中に入った粥と小豆の多少によって、53種の農作物の豊凶を占ないます。一方火力が弱ると、黒樫で作った長さ13㎝の占木を12本竈に入れ、その焦げ具合によって、年間の晴雨や風の多少を占なうのです。農業国であった日本の国は、命に関わる自然現象は今より敏感で、真剣に神々に祈りと感謝をささげたことだろうし、農作物の豊凶占いの関心も高かったことでしょう。享和元年(1801)の『河内名所図絵』には、当時の賑々しい粥占の様子が描かれています。

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